アレルギーや皮膚炎などの原因として知られる「ダニ」ですが、ダニの種類によっては、人を死に至らしめるケースもあることをご存知でしょうか?

ダニにも様々な種類がいますが、一番注意すべきは、吸血性の「マダニ」です。

マダニは、埃や食べかす等ではなく、人間を含む動物の「血液」を餌とする種類のダニとして知られており、マダニを媒介とする感染症や死亡例などもあるので注意が必要です。

マダニ対策や対処方法について

今回は、【マダニへの対策や感染した場合の治療法など】をテーマに、正しい対処法をご紹介することにいたしましょう!

マダニによる感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」

マダニによる死亡例は、正確に言えば「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染してしまうことに起因します。

国立感染症研究所ホームページでは、SFTSについて下記の通り解説されています。

2011年に中国の研究者らによって発表されたブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新しいウイルスによるダニ媒介性感染症

日本では2013年1月以降、初の患者が報告され、その後、5月〜8月の発症が毎年生じているとのことです。

症状としては1〜2週間の潜伏期間の後、発熱や食欲低下、下痢嘔吐、頭痛等が見られ、重篤な場合には意識障害や失語などの神経症状、下血や皮下出血、リンパ節腫脹などが発症。

これらの症状と併せ、検査によって白血球や血小板の減少、血清逸脱酵素の上昇が認められることが、SFTSの特徴と言えます。

マダニのキーワードは「西日本」「高齢者」「春〜夏」

国立感染症研究所の感染症発症動向調査によると、SFTSの発生には下記の共通項が挙げられるとのことです。

・症例の届出地域は石川県及び三重以南の「西日本」に集中
・患者の年齢層は40〜90歳代で、全患者の約95%が50歳以上
・発症時期が5〜8月に多い

ただし、マダニは「日本全国私たちの身近に潜んでいること」さらに「発症エリアが徐々に東へと広がってきていること」等から考えれば、春から夏にかけての時期は全国各地で注意が必要であることは言うまでもありません。

時期的にはちょうど薄着になる季節で、庭仕事やレジャー等屋外での活動が増える頃です。

極力肌を露出しないことを基本とした、「ダニに咬まれない対策」を心がける必要があります。

マダニに噛まれた際に可能な治療は「対症療法」のみ

ダニによる感染症被害を抑える方法として、真っ先に頭に浮かぶのが「ワクチンの接種」だと思います。

インフルエンザを始めとする感染症予防の方法として、ワクチンは最も有力な手段として認識されています。

重篤な感染症をもたらすマダニについても、同様の対処が可能と考えることはごく自然なことです。

ところが、残念ながら現状、マダニに有効なワクチンは開発されていません。

また、有効な治療薬も見つかっていないとのことなので、万一症状が出た場合には、症状に応じた対症療法をとる以外に方法はないとのことですので、十分注意してください。

まとめ

吸血性の「マダニ」について今回お話しましたが、上記に書いたような普段とは違う症状が出た場合は、すぐに医者に行くようにしてください。

ダニ対策についてはきちんとした対策を行えば、未然に防ぐ事ができますので、普段からしっかりとした対策を行うようにしてくださいね。