ひと口に「ダニによる健康被害」といっても、その実態は様々です。

痒みやアレルギー性鼻炎といった症状はその典型ですが、死亡事例というのも少なからずあります。

ダニによる健康被害に要注意!

とりわけ話題となった「ダニによる公務災害認定」のニュースは、ご存知でしょうか?

マダニ被害は身近に潜んでいる

ダニによる公務災害は、市所有地の草刈り後、“マダニが媒介するウイルスによる感染症”によって死亡した宮崎市嘱託職員の男性に対して認定されたものです。

2016年9月、業務として草刈りを行った後に体調が悪化し、翌10月にSFTS(重症熱性血小板減少症候群)によってお亡くなりになったとのことです。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)といえば“ダニ媒介性感染症”として知られており、男性の身体にダニに食いつかれた痕が残っていたこと、発症したのが草刈りの業務後だったことから、公務との間に因果関係が認められ、公務災害として認定されました。

「草刈り中にマダニに噛まれて亡くなることがある」ということに、驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。

誰でもする“草刈り”の最中の被害であること、私たちの身近に危険なマダニが潜んでいること等、考えれば考えるほど恐怖です。

しかしながら、マダニによる感染症発症、そして死亡事例は毎年一定数報告されています。

あなたにとっても、決して他人事ではありません。

意外と身近な、マダニの住処

マダニは、草木が生い茂っている場所であればどこにでもいると考えて良いでしょう。

例えば、登山で山に入った際に噛まれてしまうことがあります。

特別な場所でなくとも、庭や公園、近所の雑木林等、身近な場所にも要注意です。

マダニは普段草の影に隠れていますが、動物が発する熱や二酸化炭素をいち早く察知して飛びつき、満足するまで何日も吸い続けることもあります。

吸血中、マダニは栄養分のみを抽出し、残った水分等は戻すため、その際にウイルスや細菌が人や動物の身体に送り込まれます。

「ダニがついていればすぐに気付くのでは」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは言えません。

マダニが寄生していたとしてもひどい痒みや痛みを伴わないため、当の本人は無自覚であることがほとんどのようです。

マダニ被害に遭わないために

マダニの恐ろしさについて、ここまで解説すれば、普段から意識的にマダニ対策をすることの大切さに気が付くのではないでしょうか?

マダニ被害を回避するために、下記を徹底しましょう。

・必要以上に草むらに近づかない
・草木が生い茂る場所に立ち入る際は、長袖・長ズボンで皮膚を覆う
・早めに入浴し、身体にマダニが付着していないかをくまなく確認する
・着ていた服を洗濯をする

いずれも基本的なことばかりですが、おろそかにすれば死をももたらす深刻な健康被害が生じる可能性もあります。

そして万が一、身体にマダニが付着していたら慌てて引きはがしてはいけません。

マダニは吸血の際、顎を深く食い込ませているので、取り除けたと思っても身体の一部が傷口に残ってしまうこともありますので、早めの受診が基本となります。

まとめ

いかがでしたでしょか?

もしマダニに噛まれた場合には、焦らずに上記に書いたような適切な処置をするようにしてくださいね。